叔父宅
川内の大森本家からちょっと離れたところに叔父の家がある。
ここだけは、子供の頃から何一つ変わっていない。
・・・いや、震災以来、急速に変わりつつある。
東電の賠償金で、このあたりの家は、ほとんどが真新しい家に建て替えられている。
かの震災から10年近く経つというのに、いまだに放射線測定器なるものが置いてある。まだ安心できる状況とは言えないのでしょう。
・・・一見、自然豊かに見えなくもないが、急速に開発が進んでいる。山は削られ舗装され、川はせき止められて、魚の居場所もなくなっている。
かつてこのあたりは、人を化かす事で悪名高い「田ノ入狐」なる狐共の棲家だったそうです。
古くからこのあたりに住んでいる人達は、みんな「狐に化かされる」というのを経験しているそうです。
僕が見たくて捜し求めていた「狐火」もかつてはよく目撃されていたらしい。
震災以来、土の除染作業で狐の巣穴は削り取られ、狐共が人を化かした逸話が多く残るこの土地でも、今では狐は珍しい生き物となってしまった。
僕は、理屈では説明のつかないような怪異にこの上ない魅力を感じるのですが、惜しむらくは、生まれてくる時代が遅すぎたという事ですね・・・
最後に、「田ノ入狐」の巣穴があったとされる山道の写真。
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