京極夏彦の小説は僕がまだ十代の頃から読んでいます。
ミステリー最高のこの人がまさか新撰組の話を書くとは思わなかった。
この本では、新撰組隊士達がさもクズのように書かれている。
近藤勇は考えなしの朴念仁、沖田総司は生き物を殺すことが趣味で、いつもニヤニヤしているドブネズミ。
かの浅田次郎の小説で注目された吉村貫一郎は、金次第で味方さえ殺すという悪鬼守銭奴。
彼らに従う隊士達も結局歴史上、何の役にも立っていない。そしてあの土方歳三は、ただ人を殺したくてしょうがない奴。どいつもこいつも、武士道クソくらえの根っからの殺人鬼として書かれている。
実にリアルさを感じる面白い話だった。たしかに命のやりとりの場では、武士道などお題目に過ぎなかったのかもしれない。だってそうでしょう、と言わざるを得ないお話でした。
聖書のように分厚い本だが、十分読み応えあり。ただし、3500円は高すぎる。図書館で借りて読むべし。
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